ビーコンとは

【巻頭】ハイビーコンの特徴

1.ビーコンとは

ビーコンとは狼煙(のろし)といった意味で、現代では煙の代わりに電波を使ったデバイスを表現しています。ここで言うビーコンはBluetooth4(BLE)の電波を用いてその役割を果たします。単純にBLEを用いて発信するだけでは、受信側が認識できないため、情報を規格化し認識できる様に決められた方式(データフォーマット)がアップルのiBeacon規格です。

2.ビーコン例えると

LEDが点滅している様子をイメージしてください。強い光であればその存在を判断できますが、離れた場所で弱い光になってしまい見失う可能性もあり、周辺の障害物や天候によっても影響される事もあります。

3.GPSとの違い

GPSは屋外では利用価値は高いのですが、室内では衛星電波が届きにくく不向きな面があります。また、電力消費も大きいため小型電池では運用に制限があります。

4.ビーコンのメリット

GPSよりは狭い範囲になりますが、電力消費が少なく、コイン電池を利用し小型軽量化が可能になります。また、受信機も市販デバイスを利用でき、システム全体で費用を抑える効果があります。

5.何に使えるか

主に「存在」「場所」を示す目的とするものです。
電波強度から距離や存在を確認するために多く用いられますが、数バイトのデータでしたら送る事も可能ですので、温度などのセンサー値を電波に乗せる事もあります。

6.受信機の性能

一般的にはスマホのBluetoothを使いますが、機種により受信性能も異なり、事前に受信性能試験をお勧めしております。連続運用する場合はOSの振る舞いやバッテリーの耐久性も考慮します。

7.必要な機器

ビーコン ここで説明するビーコンそのものです。
受信機 BLEを受信しサーバへ送信します。
サーバ 複数の受信機から情報をまとめるために必要です。
ソフトウエア 受信機用アプリ、サーバ業務システム
通信回線 受信機→サーバでLANやLTEを用います。

8.受信固定か発信固定

1.受信機を固定
2.ビーコンを固定

9.iBeaconとコード

「iBeacon」はアップルの商標であり、BluetoothVer4.0の省電力機能である BLE(Bluetooth Low Energy) を用いたビーコン用通信プロトコル(データフォーマット)です。主に送信される情報(データ・コード)は以下になります。

Header 発信する自機の情報でMACアドレスなどを含みます。(変更不可)
UUID 主に企業コードになりますが、独自に生成可能です。(半固定値)
Major 大分類コードで0から65535の値を任意に設定できます。(変更可)
Minor 小分類コードで0から65535の値を任意に設定できます。(変更可)
TXP そのビーコンから1m離れた場所でのRSSI値を設定します。(半固定値)

UUID・Major ・Minorでビーコンを特定するために、「HibeaconSetup」アプリを用い、重複しないコード設定に変更します。

TXPは通常はそのまま使いますが、距離計算で誤差が大きい場合は、実際の利用現場で1mのRSSIを計測し書き換える事になります。(※電波出力の調整ではありません。)

10.発信間隔 Advertise

電波は間隔を開けて発信しています。電波発信することをアドバタイズ(advertise)と言い、その間隔をアドバタイズ時間とかアドバタイズ間隔と言います。 iBeaconの仕様では以下の間隔(時間)が規格化されています。

一般的なiBeacon発信間隔ミリ秒  1000ミリ秒=1秒
152.50 211.25 318.75 417.50 546.25 760.00 852.50 1022.50 1285.00

11.電池寿命と発信間隔

Bluetooth4からは省電力(Low Energy)機能により、より長時間電波を発信する事が可能になりました。より大容量の電池が有利ですが、携帯性が損なわれたり、重量が増えたりし用途によっては制限されます。

また、発信間隔を長くすれば時間あたりの消費電力が少なくなり、長い期間発信する事ができます。iBeacon仕様では「 0.625[ms]の整数倍で20[ms] 〜 10.24[s]」となり、規定外になりますが1分や3分などにすると実質電池交換が不要になるほど長持ちします。

12.電波の出力 Class

ビーコンの送信出力でBluetoothの規格としてビーコン以外のBluetooth機器で適応され、用途によって使い分けられ3つのClassがあります。その強さで、Class3が1m、 Class2が10m、 Class1が100mとされています。ハイビーコンはアンテナを持っており100mを超える最大450mを実現シております。これは必ず保証できる距離ではなく好条件での最大距離と考えてください。

13.距離計算

ビーコン自体が「発した電波強度」と離れた場所で「受けた電波強度」で判断できますが、具体的には、「ビーコン1mの電波強度」TXP 「受信した場所での電波強度」 RSSI、の差により計算できます。

しかし、降雨や霧、障害物があれば不正確です。見通しの効く場所であれば電波も素直に到達できますが、実際の現場では必ず障害物や反射物が存在し、おおよその距離とすることが現実的になります。

また、1箇所を特定するには、3点計測を行えば理論的に可能となりますが、もともとの距離が不正確なため、あまり精度が上がらないのが現実です。

以下のグラフは見通しのよい市街地で実測したもので、縦軸は実際の距離、横軸はRSSIから計算した距離になります。RSSI値には「バラツキ」があり理論曲線のようにはなりません。

14.Bluetoothの電波性質

ビーコンは2.4G帯と言われる電波を小さな出力で発信します。この2.4G帯はWiFiでも利用されオフィスなどWiFi電波が多く飛び交う場所では互いに干渉することがあります。
2.4G周波数は水分子の振動周波数(2.45G)と近く、水に吸収されてしまう性質を持っています。水は多くの物に含まれていてBluetooth電波を吸収する事になります。金属も遮蔽や反射がありますが、現実的には障害となる多くが、土・樹木・草・人間で大部分は水であり、人混みの中などで利用すると電波伝搬が阻害されてしまいます。

【参考】電子レンジでは強力な2.45G(マイクロ波)を食品に浴びせ水分子に共鳴させ、熱へとエネルギー変換されています。
Bluetoothは小さな出力なので人体には影響は少ないとされ、医療機器にも用いられます。

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